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黙示録のカレンダー 制暦2001年2月3日。 今崎浩二(28歳・無職)は、インターネットから以下の知識を手に入れた。 月経周期は、以下のように繰り返される。 排卵の時期になると、脳の視床下部から性腺刺激ホルモンが分泌される。このホルモンは、脳の下垂体に卵胞刺激ホルモンと黄体化ホルモンの分泌を指令する。 まず、卵胞刺激ホルモンが卵巣へと分泌される。これを受けていくつかの卵胞が肥大し、その際にエストロゲンが分泌される。エストロゲンは血液を介して子宮に到達し、子宮内膜を成長させる。 血液中のエストロゲンの増大によって、脳の視床下部は、「卵胞の十分な成熟」と「子宮内膜での妊娠準備の進行」を判断。続いて脳の下垂体に、黄体化ホルモンの分泌を指令する。 黄体化ホルモンが多くなると、脳の体温の中枢が刺激されて体温が上昇する。黄体化ホルモンは卵巣へ分泌され、肥大した卵胞を破裂させる。これが「排卵」である。 排卵後の卵巣では、黄体化ホルモンが黄体を形成する。この黄体から、プロゲステロンが分泌される。プロゲステロンは子宮内膜を柔らかく変化させ、妊娠の準備を進める。 妊娠しなかった場合は、排卵からおよそ二週間程で子宮内膜が剥離する。これが「生理」である。 月経周期は、一般的には28〜35日周期になっている。そして周期の長短に関わりなく、次回月経予定日の12〜16日前に排卵が起こる。 今崎浩二はそれから一年にわたって、Y家のごみ袋を集積所から回収し続けた。そしてごみ袋のなかから、使用済みの生理用ナプキンだけを丁寧に選り分けた。 回収されたナプキンは彼の自室の壁に貼リ付けられることとなった。添作作業にはセロハンテープが使用された。 やがて壁は戦利品たる赤黒いナプキンで覆い尽くされ、結果的に、そこにはY家の姉妹の月経周期が浮かび上がることとなった。今崎浩二はそれを「黙示録のカレンダー」と呼んだ。 失敗は許されなかった。 機会は一度しかなく、それは世界を救う唯一の方法だった。人類が昇華へど至る最後の道であった。今崎浩二は孤独に耐えた。 彼はもともと孤独な男であった。五年以上、彼の部屋だけが彼の世界だった。閉じられた世界のなかで、彼は、自分にぴったりと寄リ添う孤独という名の呪いを諦観していた。孤独であること。それは生まれたときから魂に刻まれているしるしのようなものなのだ。骨に巣食う病気や肌の色と同じで、そのありさまをを選ぶことはできない。 もちろん表層を塗り変えることはできる。だが、そんなものは雨の日のへアスプレーみたいに剥げ落ちる。なぜならそれが本質というものだからだ。静かに向かい合って生きていくしかない種類のものごとが世界には存在するのだ。 しかし、使命感は、彼の孤独を孤独として浮かび上がらせることとなった。彼は孤独を恐れるようになった。そんなとき──「おれは戦車だ」──今崎浩二は、嫌な匂いがむっと鼻をつく部屋でひとりつぶやいた。おれは戦車だ。 キュラキュラキュラ! それ以上はなにも聞くな! 今崎浩二はこのようにして決行日を導き出した。 彼はY家に押し入リ、Y家の三姉弟──長女、次女、長男──を全員縛リ上げた。 彼はまず長女を包丁で脅し、弟のぺニスを咥えさせた。長女は泣きながらそれを拒絶したが、次女の肩口を包丁で一突きすると(そして次女が絶叫を上げると)、自ら進んで「します」と言った。 長男はすぐに勃起した。 それどころか、姉の口腔に精液を放った。 今崎浩二は烈火のごとく怒った。 長男の腹を蹴飛ばして悶絶させ、それから長女に命じて、次女の手のひらに精液を一滴残らず吐き出させた。そしてこう命じた。 「姉ちゃんの子営にそれを全部流し込むんだ」 きょとんとする次女の肩の刺し傷に、今崎浩二は親指をねじ込んだ。 「早くしろ、戦車が壊れてしまう!」 その作業は、スポイトを使って行われた。 次女は涙を流しながら兄の精液をスポイトで吸い取り、姉の膣口へと流し込んだ。姉妹がすすり泣く声と、じゅるじゅるという淫靡な音が暗いリビングに響いていた。今崎浩二はそんな種付け作業を見ながら自慰をして、次女の髪の毛に大量の精液を放った。呆然とする次女の髪をぐしゃぐしゃとかき回しながら、今崎浩二は宣言した。 「よし、次はお前の種付けだ」 長女が泣きながら懇願した。──私ならどうなってもかまいません。妹だけは許してください! 今崎浩二は交換条件を出した。 「一時間以内に、弟が勃起しないくらい射精させたら妹は許してやる」 弟の上に跨って腰を上下させながら、長女はうわごとのように「ごめんね、ごめんね」と繰リ返していた。あっという間に2発の精液が長女の子宮に流し込まれた。繋がりあった姉弟の性器が、ぶじゅぶじゅと異様な音を立てた。 精液と愛液が混じりあった液休が半透明のあぶくを作っていた。あぶくは姉弟の性器が上下するたびにぱちんと弾けて、糸を引き、またあぶくとなった。 40分過ぎ、長女は勢いを失った弟の性器を自分の性器から引き抜き、指と胸と舌と唇を使って再び完全に勃起させた。「ごめんね、ごめんね……」。長女は弟の性器を手で固定して、自分の性器に押し当て、腰を下ろした。ぶぶっ、と空気が漏れる音がして、姉弟は再びひとつになった。ふたりは命令されるがままに唇を合わせた。桃色の舌が絡み合い、唾液がふたりの顎を汚した。唇を離すと、白い唾液がだらりと太く姉弟をつないだ。ねっとりとしたそれはしぶとく重力に逆らい、最終的に、顔を背けた長女のほほから下あごにかけてべったりとこびりついた。ふたりとも汗まみれで、全身が蛍光灯にてらてらと照り輝いていた。次女は、兄と姉との交尾を見ながら自慰をすることを命じられた。手が止まったり、目をそらしたりした瞬間、今崎の指が傷口をえぐった。 結局、一時間の間に長男は5回の絶頂を迎えた。 姉の性器から引さ抜かれたぺ二スは、くったりと勢いを失っていた。 「ようし、立つかどうかテストだ」 今崎浩二は次女を後ろから抱え上げ、兄に向かって両足を開かせた。次女のパンティはじっとりと湿っていて、薄布のうえには性器の形が浮かび上がっていた。 「おい、勃起させれば妹とやらせてやるぞ?」 今崎浩二は次女の性器をパンティ越しに撫でさすりながら、そこの手触りを丁寧に説明した。次女はすでに流す涙も無く、呆然とされるがままになっていた。長女もまた、放心したかのように天井を見上げて動かなかった。 パンティを引き抜くと、クロッチと性器の間を白い液が糸でつないだ。熱気にしっとリと湿った陰毛を撫でさすりながら、今崎浩二は仕上げに入った。 「いい機会だ。妹の×××で女の勉強といくか」 今崎浩二は長男の襟首をつかみ、広げた妹の股の間に押し村けた。そして次女の性器を指で押し広げ、性器の解剖学的な名称と俗称を説明してみせた。長男の性器は完全に勃起してぃた。 「そうか、そんなに妹としたいか!」 今崎浩二は笑った。 今崎浩二は長女に、妹の処女喪失の手伝いをする権利を与えた。 「痛くて死んじまわないように、優しくやりかたを教えてやれ」 長女はもう逆らわなかった。 仰向けになった長男のぺ二スをまたぐ形で、次女は立てひざをついた。長女が弟のぺ二スを握り、妹の膣にあてがった。「いい?2、3回チョンチョンって突いてから、ちょっと強めに押すのよ。それを何回も根気よく繰り返すの」とアドバイスした。 次女は、姉のアドバイスのとおりに兄の性器を受け入れた。 長女がじっと見守るなか、次女の腰の動きが少しずつ速くなっていった。 やがて長女は両手で妹の肩を支え、「1・2の3」と言いながら全休重をかけた。次女が痛みに悲鳴を上げ、身をこわばらせて凍りつぃた。長男のぺ二スが根元まで、妹の胎内に埋まっていた。 兄の性器で串刺しにされたまま、次女は震えて動かなかった。息だけが荒く、涙が桜色に上気した頬を伝い落らた。 何かを言おうと唇が開いたが、言葉は出てこなかった。水のような涎がつう、っと糸を引いてこぼれた。涎は次女の胸のふくらみに落ち、なめくじのようにゆっくリと糸を引いて兄の胸へと滴った。 かくして今崎浩二は、Y家の姉妹を血族の精液で妊娠させたのだった。 これによって、Y家の素晴らしい血統は守られることとなった。現代社会は、血が繋がった姉弟、兄妹が子をなすことをタブーとしている。しかし、そんなものはまったくのナンセンスだ。カルマを払う聖なるカを汚れた血で汚してはならない。それは人類の損失に他ならない。人類の財産は──未来は──戦車である俺の手によって守られたのだ! 今崎浩二は笑いながら包丁を自分の腹に突き立てた。 「おれは戦車だ!」 25回刺すまで、今崎浩二は死ななかった。 キュラキュラキュラ。 しかし、今崎浩二の行為はまったくの無意味だったのである。 Y家の三人はみな養子で、血が繋がっていなかったのだ。 すなわちこの寓話の教訓はこういうことだ。 人生とはオチの無い冗談でしかない。 ──そういうものだ。 |